バイタルサインを測定時の具体的なポイント

バイタルサインは高齢者の健康状態を把握するために欠かせないデータだ。測定するのは呼吸、脈拍、血圧、体温などで、普段からそれぞれの数値をチェックしておけば、体調の変化にも気付きやすくなるメリットがある。また、バイタルサインの正常値は年齢などにより変化するため、成人の正常値とは異なることを知っておこう。異常な数値が測定された場合は医師や施設のスタッフなどと話し合い、その人に合わせたケアを行うことを心がけよう。

また、バイタルサインは正しい方法で測定することが大切だ。呼吸を測定する時は回数やリズム、深さなどを調べ、息苦しさはないか、姿勢がいつもと異なっていないか、頭などが痛まないかといった点もチェックしておく。高齢者(65歳以上)の正常値は12~28回/分。この数値に異常があった場合は、脳血管障害や肺炎といったことが疑われるため注意しよう。脈拍は高齢者の気持ちが落ち着いている時に測定しよう。正常値は60~70回/分で、数値が100を上回ると頻脈、60を下回れば徐脈となる。

血圧は血圧計と呼ばれる道具を使って測定する。正常値は140/90mmHg未満で、高血圧を放置していると脳梗塞や狭心症などの病気につながる恐れがある。体温をチェックする際は、なるべく毎日同じ時間帯に測定することがポイントとなる。35℃~37℃が正常値であり、この数値をオーバーした場合や、逆に低すぎる場合も見逃さないようにしよう。高齢者の体調を良い状態で維持するためにも、バイタルサインはしっかりとチェックしておこう。